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骨董品とは何か

 日本刀もその一つですが、一体骨董品とはどのようなものなのでしょうか。日本刀に詳しい人も含めて、改めて押さえておく必要があるように思います。骨董品と位置付けられているものを見渡すと、それらは希少価値の高い美術品や道具であることが分かります。そして、海外でも似たような概念が存在するのだと気付きます。それが、「アンティーク」です。アンティークという言葉の起源を探ると、アンティクウスが転化した言葉であると分かります。このラテン語は「古い物」の意で用いますが、それだけでは価値の高さがイメージできません。アンティークという言葉によって初めて、希少性、美的価値が認識されるのです。

 アンティークにも色々ありますが、一番理解し易いのは貴金属でしょう。装飾品であれば、ダイヤや金といったものが含まれていますから、高額の値が付いたとしてもおかしくありません。しかし食器、衣類、家具等がアンティークに分類されることがあります。こうなると、素人の目では中々その価値を理解、認識することが出来ません。アンティークは専門家の目で極めて貴重なものと見做されれば、取引自体が禁止されることもあります。国にとって大切な文化遺産とされ、政治的に保護されるからです。市場には出回らず、国宝として取り扱われ、国の伝統、誇りを象徴するようになります。

 「古い物」とは言いますが、何をもって「古い」と見做すかは、恣意的な側面もあります。しかし長年の骨董品文化が一応の基準を生み出してきたことは確かで、例えば米国では通商関税法が参照されています。つまり、「製造から100年が経過した手工芸品、美術品」という文句を基準の一つにしているのです。確かに100年経てば、古いという形容が誰にとっても自然なものになり、契約が行われやすくなるはずです。実際、WHOもこの基準に倣っており、関税の有無が製造後100年という基準に則って処理されています。